「ハイラックスって、災害時にも役立つんじゃない?」
ハイラックスに乗っていると、そんなことを考えることがあります。
大雨や台風、地震などによって道路が普段とは違う状態になったとき、一般的な乗用車とは違う「荷台・4WD・高い最低地上高・タフな車体」を持つハイラックスには、活躍できる場面があるのではないかと思ったからです。

わたし自身、ハイラックスを災害に備えるために購入したわけではありません。
2021年12月に購入してから、通勤や普段使いはもちろん、キャンプにもハイラックスを使い、自分好みにカスタムしながら4年以上乗ってきました。
だからこそ今回は、防災の専門家としてではなく、実際にハイラックスを使っているオーナー目線から、
「普段楽しんでいるハイラックスやキャンプ用品が、もしもの災害時にも役立つのでは?」
という視点で考えてみました。
もちろん、ハイラックスだから災害時も安心という話ではありません。
特に冠水した道路などでは、車両性能を過信しないことが大切です。
この記事では、ハイラックスの特徴と普段使っているキャンプ用品が、災害時にどのように活かせそうなのかを考えてみます。
ハイラックスは災害時にも役立つ?
結論から言えば、ハイラックスには災害時に活かせそうな特徴があります。
大きな理由は、
・荷台がある
・ラダーフレームによるタフな車体
・4WDで悪路に対応しやすい
・最低地上高が高い
という、一般的な乗用車とは異なる特徴を持っているからです。
ハイラックスといえば「タフ」「頑丈」「悪路に強い」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

では、そんなハイラックスの特徴は、災害時にも役立つのでしょうか。
災害時に活かせそうなハイラックスの4つの特徴
① 荷台がある
ハイラックスの大きな特徴といえば、やはり荷台です。ハイラックスは、荷台を備えたピックアップトラックだからこそ、乗用車とは違った使い方ができます。
わたしが乗っているGUN125の荷台は、トヨタ公式の主要諸元によると以下のサイズです。
| 項目 | サイズ・数値 |
|---|---|
| 荷台長 | 1,520mm |
| 荷台幅 | 1,535mm |
| 荷台高 | 480mm |
| 最大積載量 | 500kg |

私自身、ハイラックスの荷台には木材や飲料など、さまざまな荷物を積んで使っています。
キャンプ用品だけでなく、用途に応じて大きな荷物を載せられるのは、ピックアップトラックならではの魅力です。
さらに、荷台を活用することで、キャビンのスペースを人が使うために残しながら、大きな荷物を運べるのもメリットです。
災害時を考えれば、
・飲料水
・食料
・防災用品
・テント
・タープ
・クーラーボックス
・ポータブル電源
・工具類
など、さまざまな荷物の運搬に活用できる可能性があります。
普段から荷台を使っているからこそ、いざというときにも「何をどのように積めるか」をイメージしやすいのも、ハイラックスのメリットだと思います。
もちろん、最大積載量500kgは「何でも500kgまで積める」という意味ではありません。
実際に荷物を積むときは、荷物の重量や積載方法などを考え、安全に積載する必要があります。
② ラダーフレームによるタフな車体
ハイラックスの「タフさ」を語るうえで外せないのが、ラダーフレーム構造です。
ラダーフレームとは、名前の通り「はしご」のような形をしたフレームを車体の基本骨格として使う構造です。
トヨタもハイラックスについて、高剛性フレーム構造を採用し、堅牢なフレームが安全性やハンドリング、耐久性などに貢献すると説明しています。
また、ハイラックスは初代からラダーフレームを採用し、悪路での耐久性・信頼性を重視して開発されてきたピックアップトラックです。
こうした車体構造は、普段のキャンプやアウトドアで未舗装路や凹凸のある道を走るときにも、ハイラックスらしいタフさにつながっています。
災害時を考えても、地震や大雨などによって道路状況が普段とは異なる場合には、こうしたタフな車体を支える基本構造が活かされる場面は考えられます。
「ラダーフレームだから災害に強い」という単純な話ではありませんが、ハイラックスが長年、悪路での耐久性や信頼性を重視して作られてきた車であることは、災害時に活かせそうな特徴の一つと言えるでしょう。
③ 4WDで悪路に対応しやすい
ハイラックスにはパートタイム4WDが採用されています。
通常は2WDで走行し、路面状況などに応じて4WDへ切り替えて使用するシステムです。
災害によって道路状況が悪化した場合、
・泥
・砂利
・凹凸
・滑りやすい路面
など、一般的な舗装路とは異なる路面を走行しなければならない場面も考えられます。

そうした状況では、4輪に駆動力を伝えられる4WDが、走行をサポートしてくれる可能性があります。
特に、普段からキャンプで未舗装路やアウトドアフィールドへ出かける人にとっては、4WDを活用できること自体がハイラックスの大きな魅力です。
災害時も同じように、路面状況に応じて4WDを活用できる場面は考えられます。
ただし、4WDは「どんな場所でも走れる」という機能ではありません。
災害時には、車両が走行できるかどうかだけでなく、道路の状況や周囲の安全を確認したうえで判断することが大切です。
④ 最低地上高が高い
わたしが乗っているGUN125の最低地上高は215mmです。
一般的な乗用車と比べて高めの最低地上高を持つため、段差や凹凸のある路面では、その余裕がメリットになる場面があります。
例えば、地震などによって道路に小さな段差や凹凸ができた場合、車体下部を路面に接触させにくくするうえで、最低地上高の高さが役立つ可能性があります。
キャンプ場などの未舗装路でも、こうした最低地上高の余裕はハイラックスの使いやすさにつながっています。
災害時においても、道路状況が悪化した場所では、最低地上高の高さが活かせる場面があるでしょう。
ただし、最低地上高が高いことは、冠水した道路を安全に走れることを意味するものではありません。
冠水路については、水深だけでなく水の流れや道路の状態、車両への浸水など、別の危険があります。
この点については、後ほど詳しく解説します。
普段のキャンプ装備が「もしも」にも役立つ
ここからが、今回の記事でわたしが一番伝えたいところです。
わたしは、
「防災のためだけにハイラックスをカスタムする必要はないのでは?」
と考えています。
普段からキャンプを楽しんでいるなら、そこで使っている道具を「もしものとき」にも活用できるようにしておく。
これは防災をもっと身近にする方法の一つだと思います。

キャンプ用品は防災にも活かせる
実は、こうした考え方には「フェーズフリー」という言葉があります。
福岡県防災ホームページでも、日常時と非常時という区別をなくし、普段使っているものを災害時にも役立てる考え方としてフェーズフリーを紹介しています。
その具体例の一つとして、趣味のキャンプ用品も紹介されています。
例えばキャンプで使っている、
・テント
・タープ
・ランタン
・ポータブル電源
・クーラーボックス
・調理用品
・水タンク
など。
普段はキャンプを楽しむための道具ですが、状況によっては災害時にも活用できる可能性があります。

ハイラックスの荷台とキャンプ用品は相性がいい
ハイラックスでキャンプをすると、荷台の存在が本当に便利です。
テントやタープ、焚き火台など、乗用車なら積載方法を考えたくなるような荷物でも、荷台を使えばまとめて運びやすくなります。
わたし自身もハイラックスをキャンプに使っていますが、こうした「普段から使っている荷台とキャンプ用品」そのものが、もしものときの備えにもなると考えるようになりました。
例えば停電した場合には、普段キャンプで使っているライトが役立つかもしれません。
スマートフォンの充電が必要になれば、ポータブル電源やモバイルバッテリーが役立つ可能性があります。
雨や日差しを避けたい状況では、タープが活用できるかもしれません。
もちろん、実際の災害では状況が大きく異なるため、「キャンプ用品があれば大丈夫」という話ではありません。
あくまで、
「普段使っている道具の使い道を、非常時にも少し広げて考えておく。」
ということです。
わたしがキャンプで実際に使っている道具の一つが、ゼインアーツの「ZIG」です。
コンパクトなLEDランタンですが、キャンプだけでなく、停電などで照明が必要になったときにも活用できそうなアイテムです。
「防災専用」にしなくてもいい
防災というと、
「非常食を買わなきゃ」
「防災用品を揃えなきゃ」
と考えてしまいがちです。
もちろん必要な備えはありますが、すべてを「防災専用品」にする必要はありません。
福岡県も、普段使っているものを災害時に活用するフェーズフリーの考え方を紹介しています。
キャンプが好きなら、キャンプ用品を少しずつ充実させる。
ハイラックスが好きなら、荷台を使いやすくする。
ポータブル電源を持っているなら、普段から使い方を覚えておく。
こうして考えると、
「防災のために何かを始める」のではなく、「普段楽しんでいることを少しだけ防災にもつなげる」
という方法もあります。
わたしが普段使っているキャンプ用品については、こちらの記事でも紹介しています。
ハイラックスでも冠水した道路には注意が必要
ここは今回の記事でも特に重要な部分です。
ハイラックスは最低地上高が215mmあり、4WDも備えています。
だからといって、
「ハイラックスなら冠水した道路も走れる」
とは考えないでください。
「車高が高いから冠水に強い」とは言えない
国土交通省は、自動車が冠水した道路を走行した場合、水深が車両の床面を超えると、エンジンや電気装置などに不具合が発生するおそれがあると注意喚起しています。
さらに、床面以下の水深であっても、走行速度が大きいと車両が水を巻き上げたり波を発生させたりすることで、吸気口からエンジンに水が入る可能性があります。
つまり、
「最低地上高が215mmだから、215mmまで大丈夫」
という考え方はできません。
車高と冠水路の安全性は、別の話です。
「20cmなら大丈夫」など水深だけで判断しない
ハイラックスについて、
「20cmくらいなら走れるのでは?」
と考えたことがある人もいるかもしれません。
わたし自身も以前はそんなイメージを持っていました。
しかし、今回あらためて公的な情報を確認してみると、単純に「○cmまで大丈夫」と書くべきではないと判断しました。
国土交通省も、浸水による車両への影響は車両の形状や設計によって異なるとしています。
さらに、
・道路の下に何があるのか
・水の流れがあるか
・道路の端が分かるか
・水深が正確に分かるか
・車が水を巻き上げないか
など、単純な水深だけでは判断できない要素があります。
特に水流がある場合は、車両が流される危険もあります。
だからこそ、
「ハイラックスだから大丈夫」と考えず、冠水した道路には無理に進入しないことが重要です。

災害時は「ハイラックスだから安心」ではない
ここまでハイラックスのメリットを書いてきましたが、最後にもう一度、大切なことを。
ハイラックスだから災害時も安心、というわけではありません。
災害が起きたときに最優先すべきなのは、車ではなく人の安全です。
避難指示や自治体の情報を優先する
大雨や台風などが予想される場合は、事前にハザードマップを確認し、避難場所や安全なルートを把握しておくことが重要です。
福岡県も、平時からハザードマップで洪水や浸水、土砂災害などの危険箇所や避難場所を確認しておくよう案内しています。
「ハイラックスなら何とかなる」と考えるのではなく、
「災害の状況に応じて、安全な場所へ早めに避難する。」
これが基本です。
車での避難が常に正解とは限らない
車を持っていると、
「災害が起きたら車で逃げればいい」
と考えてしまうかもしれません。
しかし、災害時には道路そのものが危険になる場合があります。
特に大雨による冠水では、車両が動かなくなったり、水圧によってドアが開けにくくなったりする危険があります。
そのため、車両性能だけを頼りに避難方法を決めるのは危険です。
ハイラックスなら車中泊という選択肢もある
ハイラックスは、キャンプやアウトドアだけでなく、車中泊を楽しむこともできます。
ただし、GUN125のキャビンはミニバンのように広く、シートを倒すだけでフラットな就寝スペースができる車ではありません。
そのまま車内で寝る場合は、後席のスペースなどを工夫する必要があります。
一方で、ハイラックスには車中泊を楽しむためのさまざまな方法があります。

例えば、後席の足元などを埋めて寝られるスペースを作るマットや、車内に設置できるコットなどを使えば、限られたキャビンを工夫して活用できます。
また、ハイラックスならではの方法として、荷台を活用するスタイルもあります。
荷台用のベッドやコットなどを組み合わせれば、キャビンとは違った車中泊スペースを作ることができます。
さらに、ルーフテントを使えば、車内ではなく車両の上を就寝スペースとして活用する方法もあります。
こうした装備を使えば、GUN125でも一人、あるいは二人で車中泊を楽しむための選択肢を広げることができます。
つまり、ハイラックスはミニバンのような広い車内を持っているわけではありませんが、
「荷台」
「キャビン」
「ルーフ」
と、工夫次第でさまざまな車中泊スタイルを楽しめるのも魅力の一つです。
これは普段のキャンプだけでなく、もしものときにも活かせる可能性があります。
例えば、災害によって自宅で過ごすことが難しくなった場合など、状況によっては車両を一時的な滞在場所として活用するケースも考えられます。
ただし、災害時の車中泊は「車で寝られるから大丈夫」という単純なものではありません。
長時間同じ姿勢で過ごすことによるエコノミークラス症候群や、暑さ・寒さ、脱水、トイレ、換気などにも注意が必要です。
また、災害の種類や周囲の状況によっては、車内に留まること自体が危険になる場合もあります。
そのため、
「車中泊できるから車に留まる」
と考えるのではなく、
「必要な状況では、車中泊という選択肢も持っておく」
くらいに考えておくのがよいでしょう。
普段からキャンプや車中泊で使い方を知っているハイラックスなら、いざというときにも、その経験や装備を活かせる可能性があります。
もちろん、災害時には避難情報や周囲の安全を確認し、車中泊をすることよりも安全な場所へ移動することを優先する必要があります。
わたし自身は「防災目的」でハイラックスをカスタムしているわけではありません
ここまで読んで、
「かなり防災を意識してハイラックスをカスタムしているんだな」
と思われるかもしれません。
でも、実際は違います。
わたしがハイラックスを購入した理由は、防災のためではありません。
普段の通勤や買い物に使いながら、キャンプに行ったり、自分好みにカスタムしたりするためです。
タイヤやホイールを交換したのも、災害時のためではなく、ハイラックスの見た目や走りを楽しむため。

荷台を使ってキャンプ用品を運ぶのも、もちろんキャンプを楽しむためです。
それでも今回あらためて考えてみると、
「普段楽しんでいることが、もしものときの備えにもつながる」
というのは面白いなと思いました。
わたしのハイラックスには、YOKOHAMA GEOLANDAR X-AT LT265/65R17と、CRIMSON MG GOLEMを組み合わせています。
これは防災目的ではなく、キャンプや普段の走行を含めた自分のスタイルに合わせて選んだものです。
今回の記事では、ATタイヤだから災害に強いという話ではなく、「普段わたしが使っている装備の一例」として紹介しています。
普段楽しんでいるものが「もしも」に役立つ
今回、ハイラックスと防災について考えてみて、わたしが一番面白いと思ったのがここです。
ハイラックスを防災専用車にする必要はありません。
キャンプを楽しみながら、
荷台を使う。
キャンプ用品を揃える。
ポータブル電源を使う。
ライトを使う。
水を運ぶ。
タープを張る。
こうした普段の楽しみの中に、「もしものときにも使える」という視点を少し加える。
福岡県が紹介している「フェーズフリー」の考え方とも、これはよく似ています。
もちろん災害は、キャンプとはまったく違う状況です。
キャンプ用品だけで災害を乗り切れるわけでもありません。
それでも、
「普段から使い慣れている道具があること」
には意味があると思います。

まとめ|ハイラックスは「普段の楽しさ」が、もしものときの強みにもなる
ハイラックスについて調べ、そして自分自身がオーナーとして乗ってきた経験から改めて感じたのは、普段何気なく使っているハイラックスの特徴が、災害時には意外な強みになる可能性があるということです。
大きな荷台があることで、キャンプ用品だけでなく、必要な荷物や水、食料、防災用品などをまとめて運ぶことができます。
ラダーフレームによるタフな車体、4WD、高い最低地上高といった特徴は、普段のキャンプやアウトドアだけでなく、道路状況が悪化したときにも活かせる場面があるでしょう。
そして、ポータブル電源やランタン、タープ、クーラーボックスなど、普段キャンプで使っている道具も、状況によっては災害時の備えとして活用できます。
つまり、ハイラックスを「防災専用車」にしなくても、
「普段のハイラックス+普段のキャンプ用品」
が、そのまま「もしもの備え」につながっていく可能性があります。
これは、わたしが今回の記事を書いていて一番面白いと感じたところです。
もちろん、ハイラックスだからといって、どんな災害にも対応できるわけではありません。
特に冠水した道路などでは、車高や4WD性能だけを頼りにせず、避難情報や道路状況を確認して安全を最優先にする必要があります。
ハイラックスの性能を過信するのではなく、その性能を「正しく活かす」ことが大切です。
それでも、
「荷物をたくさん積める。」
「悪路にも対応しやすい。」
「タフな車体を持っている。」
「キャンプ用品をたくさん運べる。」
こうしたハイラックスならではの特徴が、普段の楽しみだけでなく、万が一のときにも役立つ可能性がある。
そう考えると、ハイラックスは単なる「キャンプに便利な車」というだけではなく、普段の生活からもしものときまで、さまざまな場面で活用できる頼もしい相棒なのではないでしょうか。
わたし自身、災害のためにハイラックスを選んだわけではありません。
それでも4年以上乗り、キャンプや普段の生活で使ってきたからこそ、
「この車を選んでおいて良かった」と思える場面は、もしかしたら普段の生活だけではないのかもしれない。
今回の記事を書きながら、そんなことを考えるようになりました。

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